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砂の器
★★★☆☆byおたむ
 
・・・・愛とは孤独なものに運命づけられているのであろうか。三年もの間、わたしたちの愛は続いた。けれども築き上げられたものは何もなかった。未来永劫にと彼は言う。その空疎さにわたしは、自分の指の間から砂がこぼれ落ちるような虚しさを味わう。・・・・成瀬リエ子の日記より。
 
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『砂の器』by松本 清張
 
宿命とはこの世に生まれて来たことと、生きているということである。
東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。
 
 
社会におけるハンセン病患者の差別問題をさり気なく絡めてある辺り、さすが社会派推理小説作家の元祖。当時は癩病と呼ばれていたハンセン病に対する世間の過剰な差別、現在でも度々耳にするが、それは想像を絶する拒絶だったのだろう。患者の子供として生まれた一人の少年に、その事実を封印する為人を殺めることをも厭わなくさせる程の大きな障害だったのだから。
それを考えると、事件が明らかになった後でも、犯人和賀のことを全面的に責める気持ちにはなれない。もちろんだからと言って和賀の行為は到底肯定出来るものではないけどね。
 
犯人&被害者にズーズー弁を話させておいて、東北以外にもズーズーしてるところがあったと言うトリックはなかなか。刑事の着眼点と執念で辿り着いた“ガメダ”は、途中犯人の陰謀で撹乱されつつも、良く頑張ったねぇ~な感じで◎(σ`・ω・)σ
 
しかし被害者の息子が「父は東北弁ではありません」と完全否定したのはどぉなの(・ω・;)?普段はガメダ方言を使わなかった被害者が、犯人の前でのみ話したと言う設定なのかと思ったら、旅館でもズーズーだったって証言出てくるしさぁ。ご都合主義感否めない(・ω・;)
そしてこの被害者のおじさんが和賀に会いに行った動機もイマイチ納得出来ず(・ω・;)子供の頃しか知らないのに、20年後の成人した写真を見て当人に間違いないと断言出来るものかねぇ(・ω・;)名前も違うのに(・ω・;)
 
前に読んだ『点と線』と比べると、主人公刑事の勘は格段に良くなっていて、「普通気づくだろ(・ω・;)」な見逃しは無くなっているものの、今度は勘が冴え渡り過ぎてかなり不自然。出来すぎな偶然も満載だし(・ω・;)
偶然目にした雑誌のエッセイから、和賀の影の恋人だったリエ子を連想するってのは、いくらなんでも突拍子が無いのでは(・ω・;)
和賀の友人関川の恋人が、刑事の妹の下宿人て(・ω・;)
その上和賀の影の恋人リエ子は、刑事本人の近所の住民(・ω・;)
ぐ、偶然と言うには・・・(・ω・;)(・ω・;)
 
それにしても人物描写は相変わらず素晴らしい。犯人を追う過程で主人公刑事が一喜一憂する様子、同僚刑事との熱血な会話など、人間臭い主人公に対して自然に親近感を持ってしまう。主人公刑事が妻と近くのお祭りへ出かける件、盆栽を品定めしたり、帰りに寿司屋へ寄ろうと妻を誘ったが断られて機嫌が悪くなったり、彼の人柄・雰囲気が瑞々しく伝わってくる。人物同様、背景となる当時の生活感も、当時を知らなくてもすんなりその世界に入って行けるし、妙に懐かしい気分にさえなってしまう。“懐かしい昔”を経験してない者に、映像ではなく文字という媒体で、セピア色ちっくな印象を与えるってかなり凄い(☆ω☆)
 
犯人の和賀に語らせないのも好きなところ。彼に対しては客観的な視点しか持たされず、それがかえって、悲惨な運命を拒絶しようともがく彼の苦悩と野望を際立たせてる感じ。
 
『点と線』とか『砂の器』とか、清張クンてそそるタイトル多いわー。陰鬱で物悲しく美しいイメージが勝手に頭の中広がる感じwwオレだけか(・ω・;)?
その大き過ぎる期待がいけないのか?タイトルから受けるイメージを超える充実感がないのよねぇ(・ω・;)発刊からの時間の経過だけが原因とは思えないが(・ω・;)
 
 
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12/05 22:18 | BOOOKS! | CM:0 | TB:0
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